Japanische Klassiker mit Furigana
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なんばんひわもりうこんまる
南蛮秘話森右近丸
国枝 史郎
Lesen Sie 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.869 Zeichen · 112 Bildschirme
……その書棚の……書棚の中の書物のどこかに、唐寺の謎を解き明かせた、研究材料の有場所が、記されてあるかもしれません」
「さよう即ち秘密の鍵が、隠くされてあるかもしれません。どれ」と云うと右近丸は、ツカツカ書棚の前へ行き、一渡り書物を眺めてみた。が書物の数は非常に多く、いずれも整然と並べてあり、一々取り上げて調べていた日には、手数がかかって遣りきれそうもなかった。だがその中の一冊の書物が、特に右近丸の眼を引いた。何の変わったところもない、帙入の書物ではあったけれど、その書物だけが奇妙にも、逆さに置かれてあるのであった。即ち裏表紙を上へ向けて、特に置かれてあるのであった。
「はてな?」と呟いた右近丸ツトその書物を取り上げたが、まず帙からスルリと抜き出し、それからパラパラと翻ってみた。と、どうだろう、何にも書いてない。全体がただの白紙なのである。――と思ったのは間違いで、書物の真中と思われる辺りに、次のような仮名文字が記されてあった。
「くぐつ、てんせい、しとう、きようだ」
何のことだか解らない。どういう意味だか解らない。呪文のような文句である。
「おかしいなあ、何のことだろう?」