Japanische Klassiker mit Furigana
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なんばんひわもりうこんまる
南蛮秘話森右近丸
国枝 史郎
Lesen Sie 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.869 Zeichen · 112 Bildschirme
息せき切った右近丸が、民弥の屋敷へ駈け込んで、例の室で民弥と逢い、人形の行方を尋ねた時、民弥の口から右近丸は、残念な報告を聞かされたのである。
小判と青差を卓の上へ載せ、それに見入っていた娘の民弥は、右近丸が入って来るのを見ると、驚いたように云ったものである。
「まあそのあわただしい御様子は、どうなされたのでございます?」
それには碌々挨拶もせず、右近丸は室を見廻したが、「民弥殿! 民弥殿! 人形を! ……ちょっと人形をお見せ下され!」
すると民弥は赤面したが、小判と青差とを指さした。
「小判とそうして青差とに、人形は変わってしまいました」
「え?」と云ったものの右近丸には、何のことだか解らなかった。で直ぐに云い続けた。「帙入の書物に記されてあった、『くぐつ、てんせい、しとう、きようだ』……この謎語の意味解ってござる! 人形の眼を指の先で、強く打てという意味なのでござる。そうしたら逝くなられた弁才坊殿が、苦心をされて調べあげた、唐寺の謎の研究材料、その有場所が解るのでござる! 奈良朝時代の貴女人形、あの人形に一切合財、秘密が籠っているのでござる。お見せ下され、貴女人形を!」