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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんばんひわもりうこんまる

南蛮秘話森右近丸

国枝 史郎

Lesen Sie 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.869 Zeichen · 112 Bildschirme

Aozora Bunko

お迎えに来たと云ってもいい」

玄女はニヤニヤ笑っている。

「首尾は上々この通りさ。うまうま人形を手に入れたよ」

こう云うと猪右衛門は人形を、ヒョイとばかりに突き出した。

「おやマァ大きな人形だねえ。そうして随分立派じゃアないか。どれどれ妾に抱かせておくれよ」

「オッとよしよし抱くがいい」

玄女は人形を受け取ったが、月光に隙かしてつくづく見た。

人形は精巧に出来ている。顔など活きているようだ。今にも物を云いそうである。

「成程ねえ、この人形なら、物を云うかもしれないねえ」

玄女は感心したらしい。で、猪右衛門のやったように、人形の手を引っ張ったり、足を引っ張ったりしたけれども、人形は物を云わなかった。

「とにかくここに突っ立って、人形いじりをしていたって、どうも一向はじまらないよ。家へ帰ってゆっくりと、人形いじりをすることにしよう」と玄女はスタスタ歩き出した。

「それがいいいい」と猪右衛門も、玄女と並んで歩き出した。しかし十間とは行かなかったろう、背後から呼びかける声がした。

「古道具買さん古道具買さん、ちょっとお待ち下さいまし」

それは女の声であった。

驚いた玄女と猪右衛門が足を止めて振り返ると、いずれ走って来たのだろう。