Japanische Klassiker mit Furigana
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らんとうばのてんにょ
卵塔場の天女
泉 鏡花
Lesen Sie 卵塔場の天女 (らんとうばのてんにょ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.251 Zeichen · 94 Bildschirme
「おや……」
と立留まった、
「ここに、あの菓子屋、こっちが下駄屋と、あれが瀬戸物屋、茣蓙屋、合羽屋と、間違いッこはないんだがな、はてな、違ったかな。」
と少しばかり狼狽える。……
「違いはしません、――紅屋はあすこですよ。」
と私が笑った。
「ですがね。」
「大丈夫……間違いはありません。紅屋です。」
「先生は、紅屋の鑑定家なのかなあ。まるで違ってる。これは細露地を一つ取違えた……」
「ははは、大丈夫。いらっしゃい。――あすこに紅屋の息子さんが坐っているから確なものです。」
読者も思掛けなかっただろうと思う……はじめての私が、八郎の故郷のしかも親類の家を認めたのは――およそ紅屋というものを、かつて京大阪の家造で心得ていたためではない。その息子というのが、一度上京して、八郎の家に居た処へ、私がちょっと行合わせて顔を知っていたからである。
八郎は肩を揺った。
「ああ、串戯じゃない――店ざらしの福助の置物という処が、硝子箱の菊慈童と早がわりをしているんだ。……これは驚いた。半蔀の枢戸が総硝子になって、土間に黄菊と白菊か。……大輪なのが獅子咲、くるい咲と、牡丹のように鉢植で。