Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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らんとうばのてんにょ

卵塔場の天女

泉 鏡花

Lesen Sie 卵塔場の天女 (らんとうばのてんにょ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.251 Zeichen · 94 Bildschirme

Aozora Bunko

六

六

――先生、先生、橘先生――これはまたどうした事で。……既に電報で再度までも申出ましたものを、御着の時間どころか、東京御出発の御通知も下さらず、幹事一同は大狼狽。勿論、催能は明日に迫りましたものを、御到着にならぬという事は断じてないと信じてはおりますものの、各々気が気ではありませぬ。御歓迎なり、有志の御紹介なり、昨日も三つばかり、そのための会合がお流れと申す始末――

これから、誰彼口々の口上は、読者諸君の想像にまかせた方が可い。

――当方で御指定いたした旅館へはおいでなくとも、先生が御宿泊なさりそうな四五軒、しかるべき旅館も探したが、お見えにならない。最早今夜に迫っては、いずれにせよ、是が非、御着に相違ないと、町中の旅籠屋という旅籠屋の目ぼしいのを、御覧の通りこの人数で――

提灯が五張、それも弓張、馬乗の定紋つきであった。オーバアの紳士、道行を着た年配者、羽織袴のは、外套を脱いで小脇に挟んでいる。菊花の土間へ以上七人、軒、溝石へ立流れて、なお四人ばかり。

――で、なお念のために停車場へも多人数が出ているようなわけで、やっと思いも寄らない旅店で、お名前を見つけました。