Japanische Klassiker mit Furigana
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らんとうばのてんにょ
卵塔場の天女
泉 鏡花
Lesen Sie 卵塔場の天女 (らんとうばのてんにょ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.251 Zeichen · 94 Bildschirme
階子段を上り下りするように、日に幾度屋根へ出入りをしたか知れないとさ。観音様に見えますと云って、凝と優しい姑の顔を見ながら、莟の枯れる口を開けた、お母さんのおもいも、察するが可いよ。きみ、花を飾った駕籠に乗って江戸芝居を見た娘がそれだもの、何も時節だ。……冷いようだが、いや、寒いようだが、いや薄情だと言えばそれまでだが、農家で育って、子守をして、工女から北海道へ落ちたって、それほど情ながったり、怨めしがったりする事はなかろうと思う。
が、どうだい。
何しろ、そんな中だもの、うまれたての嬰児が育てられるものか。あの時、もしも縁のあった田舎へ養女に遣らなかったら、きみは多分育たなかったろうよ、死んじまったかも知れないんだ。」
「それですから、それですから、私はいっそ死んだ方がと、昨日も、今日も……」
「まあ、待ちなよ。……亭主が出来て、十一人か、児を拵えているじゃあないか。贅沢な事を云って、親を怨むな、世間を呪うな!……とは言うが、きみの身の上は気の毒だと思う。けれども考えて見るが可い、……きみは北海道の川端か、身投げをしようとするのに、小児を負ったり抱いたりしたろう。