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Japanische Klassiker mit Furigana

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とりかじ

取舵

泉 鏡花

Lesen Sie 取舵 (とりかじ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.453 Zeichen · 15 Bildschirme

Aozora Bunko

渡場に着くと、ちょうど乗合が揃ッていたので、すぐに乗込んだ。船頭は未だ到なかッたが、所の壮者だの、娘だの、女房達が大勢で働いて、乗合に一箇ずつ折をくれたと思い給え。見ると赤飯だ。」

「塩釜よりはいい。」とその友は容喙せり。

「謹聴の約束じゃないか。まあ聴き給えよ。見ると赤飯だ。」

「おや。二個貰ッたのか。だから近来はどこでも切符を出すのだ。」

この饒舌を懲さんとて、学生は物をも言わで拳を挙げぬ。

「謝ッた謝ッた。これから真面目に聴く。よし、見ると赤飯だ。それは解ッた。」

「そこで……」

「食ったのか。」

「何を?」

「いや、よし、それから。」

「これはどういう事実だと聞くと、長年この渡をやッていた船頭が、もう年を取ッたから、今度息子に艪を譲ッて、いよいよ隠居をしようという、この日が老船頭、一世一代の漕納だというんだ。面白かろう。」

渠の友は嗤笑いぬ。

「赤飯を貰ッたと思ってひどく面白がるぜ。」

「こりゃ怪しからん! 僕が赤飯のために面白がるなら、君なんぞは難有がッていいのだ。」

「なぜなぜ。」と渠は起回れり。

「その葉巻はどうした。」

「うむ、なるほど。面白い、面白い、面白い話だ。