Japanische Klassiker mit Furigana
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こくをみる
古句を観る
柴田 宵曲
Lesen Sie 古句を観る (こくをみる) von 柴田 宵曲 (しばたしょうきょく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 166.028 Zeichen · 333 Bildschirme
清水の句としては少しく変った趣を具えている。
これが夕涼の場合ででもあったならば、橋に跨る趣向も多少平凡に陥らざるを得ない。運座席上の調和論などは、往々にしてこういう平凡を支持しやすいものである。清水に対して丸木橋を持出し、それに馬乗になるというようなつれづれのすさびは、単に平凡でないのみならず、経験なしには念頭に浮べにくい。おどけたようでしかも棄て難い閑中の趣である。
えり垢の春をたゝむや更衣 洞池
軽い著物に脱ぎ替る初夏の快適な心持は、今も昔も変りはあるまい。「蝶々も軽みおぼえよ」といい、「籠ぬけのかろみ覚えつ」といい、多くは軽快な感じが主になっている。この句の如く脱ぎ捨てた旧衣に眼を注いだものはあまり見当らぬ。
新衣に更うるに当って脱ぎ捨てた著物は、已に多少襟垢がついている。作者はこの襟垢を以て、すがすがしい新衣に対照せしむると同時に、旧衣に対する愛著の情を寓するものとした。
「えり垢の春をたゝむ」というのは、かなり巧な言葉遣いで、その衣に裹まれた三春行楽の迹も、自ら連想に上って来る。昔の更衣は四月一日ときまっていたから、過去った春を顧る情は、今よりもはっきりしていたことと思われる。