Japanische Klassiker mit Furigana
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こくをみる
古句を観る
柴田 宵曲
Lesen Sie 古句を観る (こくをみる) von 柴田 宵曲 (しばたしょうきょく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 166.028 Zeichen · 333 Bildschirme
焼米や鹿聞菓子に夜もすがら 半残
秋になって鹿の音を聞くなどということは、現代のわれわれにはあまり縁のない話になってしまった。芭蕉が「ぴいとなく尻声かなし」と詠んだ「奈良の鹿」は、今日でも聞くことが出来るが、古人は更に山野に棲息する鹿の声を聞こうとしたものらしい。蕪村も「ある山寺へ鹿聞きにまかりけるに茶を汲む沙弥の夜すがらねぶらで有りければ晋子が狂句をおもひ出て」という前書で、「鹿の声小坊主に角なかりけり」という句を作っているから、山中の寺までわざわざ鹿を聞きに行ったものと見える。
半残のこの句は蕪村のような前書がないので、そういう点は十分にわからぬけれども、やはり「鹿聞き」の句であることは疑うべくもない。焼米を菓子として食いながら鹿の声を聞いた――もしくは一晩中鳴くのを待っていた、というのである。焼米を菓子にするということが、自ら鹿の声の聞けるような場所を現しているように思われる。
干綿に落て音なきじゆくしかな 暮谷
自ら枝を離れた熟柿が、綿を干した上に落ちる。柿が堅いか、下のものが堅いかすれば、音がするわけだけれども、柿も熟しており、下が柔い綿なので、何の音もしなかった、というのである。