Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
「あっ、だんな! だんな! そっちゃ方角違いじゃごわせんか。今のそのほしの居どころは下谷ですよ、下谷の仲町ですよ!」
だのに、右門は右へ濠ばた沿いに曲がるべきところを断然反対の左へ曲がりながら、ごく澄ましきって、同じほがらかさをつづけました。
「――雪姫の申すには、われ今生に生まれおちて、いまだ情けの露を知らず、いまだ情けの露を知らず、のうのうそこの影法師、わがために情けがあるならば、日のみ子の顔見せてたべ、われみずから露となって散らむ、みずから露となって散らむ――」
ゆうゆうとうたいながら、京橋めがけてやって参りましたようでしたが、そこの橋のたもとについせんだってから昼屋台を出している『いさこずし』というのへぬうと首をつっ込むと、おちつきはらってあなごをもうその指先につまみだしたものでしたから、あっけにとられて伝六があたりかまわずに口をとんがらかしました。
「ちえッ。すし屋なんぞは今でなくとも逃げやしねえじゃごわせんか! 下谷のほうはいっときを争うってだいじなどたん場ですよ。また夢中になって、がつがつといくつ召し上がるんですか! あなごの味を知らねえ国から来たんじゃあるめえし、いいかげんにおしなすって、早く草香流の腕まえを貸してくだっせえよ」