Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
「はっ……さよう……さようにござります」
すると、どうしたことか、妻女がちょっとぎくりとしながら、ことばを濁しぎみにためらいを見せましたので、右門は追っかけて尋ねました。
「いや、ご藩名やご浪人をなさった子細までも聞こうというのではござらぬ。士籍にあられたかたかどうか承ればよろしゅうござるから、もっとはっきり申されませい」
「では申します。いかにも権右衛門は父の代までさるご家中で、相当由緒ある家門をつづけていた者にござりまするが、仕官をきらい、もう十年このかた浪人してでござります」
「さようか。では、不慮の災に会われたことも、なんぞ恨みの節とか、かたきの筋とかがあってのことでござったか」
「それがあんまり理不尽にござりますので、訴えに参ったわけでござります」
「ほう、理不尽とな。では、なんの恨みもうける覚えがないのに、討たれたと申さるるか」
「はっ、わたくし主人にかぎっては、なに一つ人さまから恨みなぞうける覚えはござりませぬのに、昨夜四つ過ぎでござりました。このあたりでは珍しいつじうら売りが流してまいりましたものでしたから、なにげなく権右衛門がそれなる者を呼び入れましたら、やにわに主人へ飛びかかりまして、長年の恨み思い知れと呼ばわりながら、ひきょうな不意打ちを食わしたのでござります」