Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
けれども、たやすく引見はしてくれましたが、結果は案外にも不首尾だったのです。疑惑の中心人物小田切久之進については、次のごとき数点を語ってくれたばかりで、すなわちその素姓に関しては、ご当代に至って新規お取り立てになった旗本であるということ、それまでは卑禄のお鷹匠であったということ、だから他の三河以来の譜代とは違って、僅々この十年来の一代のお旗本にすぎないということ、したがって人がらはお鷹匠上がりの生地そのままにきわめて小心小胆であること、小胆なくらいだから性行はごくごくの温厚篤実で、その点さらになんらの非の打ちどころはないというのでした。加うるに、肝心の屋敷の様子ならびに家族の者に関する内情はいっこうに存じ寄りがないというのでしたから、これはどうあっても不結果です。ことに、その性行が温厚篤実という一条に至っては、いやしくも老中職の松平知恵伊豆が、釜のような判を押して保証しただけに、大のおもわく違いで、温厚なものならむろん人に恨みを買うような非行もないはずでしたから、人に恨みをうけないとすれば、置かれるものに事を欠いて胸の上に気味のわるい生首なぞをのっけられるはずもないわけで、とすると全然のいたずらか?――それとも、あるいは伝六のいったごとく、ほんとうの怪談か?――右門の心はしだいに乱れ、推断もまたしだいに