Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
。むろん、喜んだのは伝六で、
「ちえッ、ありがてえな。近ごろばかに耳たぶがあったけえと思っていたら、必定こういう福の神が舞い込むんだからね。忍っていや、日光さまにもう半分っていう近くじゃごわせんか。てっとり早く仕事をかたづけて、けえりにゃ官費の日光参りなんて寸法はどうですかね」
不意に切りもち包みが四つふところに飛び込んでまいりましたものでしたから、すっかりもう有頂天、出るからほんとうに日光参りにでも行くようなはしゃぎ方でいましたが、右門はしかしちょっとばかり不思議だったのです。わらじを締めてすたすたと足を早めるには早めましたが、忍のお城下を目がけるならば、当然板橋口から奥州街道へ向けて北上すべきなのに、気がついてみると新宿を通りすぎて、いつのまにか甲州口を西へ西へとこころざしていましたものでしたから、すっかり有頂天になっていた伝六は少々興ざめしたとみえて、ふところの百両をぽんぽんと上から平手でたたきながら、不服そうに呼びかけました。
「だんなえ? ね、だんなえったら! こっちへ来たんじゃ、ちっとばかり方角が違うように思いやすが、まさかにこの百両は、堀の内のお祖師さまへお賽銭にあげるっていうんじゃござんすまいね」