Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(二)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 221.941 Zeichen · 435 Bildschirme

Aozora Bunko

2

正確に申しますとちょうど八日の日でしたが、この日は改まって申すまでもなく、釈尊がインド迦毘羅国の迦毘羅城にご生誕なさった甘茶仏の当日なので、事件は伝六がしびれをきらしているようになかなか降ってきそうもないし、さいわいご奉行所は非番でしたから、主従三人お昼すぎから増上寺のお花御堂の灌仏会に出かけて、ついでのことにおなかへも供養にと、目黒の名物たけのこめしへ回り、なかよく連れだってぶらりぶらり八丁堀のお組屋敷へ帰りついたのが、かれこれもう夜も二更に近い五ツ下がり刻限でした。

と――三人が久しぶりでの遠出にぐったりとなって、そこの座敷へすわるかすわらないかに、咄! なんという不敵なやつもあればあるものでしょう――あけ放たれた縁側伝いの暗い庭先から、不意にヒュウとうなりを発しながら一本の手裏剣が飛んできたかと見えましたが、せつなに体をかわした右門の右ほおをあやうくかすめて、プツリうしろのふすまに突きささりました。

「よッ。人を食ったまねをしやがったなッ」

相手もあろうに、まさしく右門を目ざしての手裏剣でしたから、ちょっとけしきばんで立ち上がろうとすると、間をおかないで二本めが、あやうく左をかすめながら、プツリ、またうしろのふすまに突きささりました。