Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 221.941 Zeichen · 435 Bildschirme
と――。どうしたことか、棧敷土間いっぱいの見物が、いずれも総立ちになりながら、しきりとなにかわいわいとわめき騒いでいるのです。その騒ぎ方がまた尋常一様ではなかったので、いぶかしく思いながら、かたわらの見物にきき尋ねました。
「なにごとじゃ。何をわめきたてているのじゃ」
「だって、あんまり座方の者がかってをしやがるから、だれだっても見物が鳴りだすなあたりまえじゃござんせんか。じつあ、この一座に尾州下りの市村宗助っていう早変わりのうめえ役者がいるんですがね。これから幕のあく色模様名古屋音頭で、市村宗助が七役の早変わりをするってんで、みんなそれを目当てでやって来たのに、今にわかと用ができて舞台に出られねえと頭取がぬかしゃがったんで、このとおりわめきだしたんですよ」
早変わり役者で、あまつさえ名も宗助といったものでしたから、なんじょう名人の目の光らないでいらるべき! ただちに楽屋裏へやって行くと、居合わした道具方に鋭くきき尋ねました。
「市村宗助はいるか、いないか!」
「今、楽屋ぶろから上がってきたようでしたから、まだいるでしょうよ」
「へやはどこじゃ」
「突き当たりの左っかどです」