Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 221.941 Zeichen · 435 Bildschirme
見ると、いかさま呼び声の高いだけがものはあって、筋骨隆々とした六尺豊かな肉体は見るからにほれぼれとするような健康美をたくわえ、けわしからず、めめしからぬ整ったその顔は、なにさま相撲取り中第一の美男を思わするものがありました。さればこそ、お局群の熱狂ぶりは、正気のほどが疑われるくらいで、江戸錦ィ、江戸錦という声援とともに、いずれもぽっとほおを染めながら、棧敷の前へのめり出してしまいました。
それをあざけり顔で、冷ややかな笑みを見せながら、つづいておどり出るように姿を見せたものは、ききしにまさる醜男の、西方結び相撲秀の浦です。だが、この秀の浦が、なるほど珍しいくらいな小男の醜男でしたが、剽悍の気その全身にみなぎりあふれて、見るからにひとくせありげな、ゆだんのならぬつらだましいでありました。だから、旗本連の熱狂したことはまた当然なことで、剽悍そのもののような秀の浦のつらだましいがひとしおたのもしくでも思えたものでありましょう。負けず劣らずに声をそろえて、しきりと秀の浦に声援をつづけました。
ために、場内は刻一刻と殺気だって、東の声援、西の呼び声、喧々囂々と入り乱れながら、ほとんど耳も聾せんばかりでしたが、しかし、名人はいかなる場合においてもやはり名人です。