Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme
「…………?」
きょとんとしながら、気の抜けた顔をしてまじまじと見あげたきり、返事はないのでした。
「とぼけたまねをしても目が光ってるぞ、耳はねえのか!」
「いいえ、だんな、いくらしかってもだめですよ」
そのとき、隣のへやから若い者のひとりが飛んでくると、うそうそと笑いかけました。
「親分を相手に晩までどなったって、らちはあきませんよ」
「なんだ。おまえら口がきけるじゃねえか。なぜ、さっき黙ってたんだ」
「このうちじゃ、ものをいっても通じねえ人がひとりあるんでね。ついみんな手まねで話をする癖がついちまったんです。親分少々――」
「耳が遠いか」
「遠い段じゃねえ、このとおり耳のねえ人も同然なんです。御用があるなら、筆で話しておくんなせえまし」
「なんでえ。それならそうと早くいやいいじゃねえか。すずりを出しな」
「七ツ道具の一つなんだから、火ばちの陰にちゃんと用意してありますよ」
なるほど、筆に紙、ちゃんとしたくがそろっているのです。
名人の筆はさらさらと走りました。
「八丁堀右門なり。
神妙に応答すべし。
神田、米屋増屋弥五右衛門方へ後妻を世話せしはそのほうなる由、いかなる縁にてかたづけしや。