Japanische Klassiker mit Furigana
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どうほう
同胞
豊島 与志雄
Lesen Sie 同胞 (どうほう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.713 Zeichen · 32 Bildschirme
」
茂夫は突然大きな声を立てた。
「人間もそうなると面白いな。」
「そして愉快だよ。」
二人はいつしか肩と肩ともたれ合って、互の身体の温みを感じながら、向うの池の縁に立ってる少女達を眺めていた。ぼーっと霞んでる和やかな春の日が、しみじみと大地の上に照りつけていた。
恒夫は不意に云い出した。
「僕達がこうしてる所を見たら、お父さんは喜ぶだろうね。」
「喜ぶとも、屹度。」
「僕は何だか、お父さんは大変豪い人だったような気がするよ。」
「なぜ。」
「なぜだか分らないが、屹度豪かったんだよ。僕はお父さんが好きだ。」
「僕も好き……になったような気がするよ、君に逢ってから……。今のお父さんなんか頑固で嫌いだ。」
「お父さんが生きてたら、僕達は素晴らしく沢山の兄弟になってたかも知れないよ。」
茂夫は驚いたように眼を見張ったが、そのままの顔付で口許に微笑を浮べた。恒夫はじっと空の奥を見入っていた。
恒夫と茂夫とは、どちらからともなく互の学校へ出かけていって、植物園や上野公園や時には日比谷あたりへも、ぶらつき廻った。
学校の帰りが夕方になることが多いのを、母から怪しまれていろいろ尋ねられても、恒夫は何やかやいい加減の口実を並べ立てて平然と空嘯いていた。