Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Lesen Sie 名人地獄 (めいじんじごく) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.286 Zeichen · 301 Bildschirme
館の造りもまことに変だ。真ん中に四角な石壁があって、その周囲に廊下があり、廊下の隅々に部屋がある。だが、どれも空っぽだ。いったい四角な石壁は、なんの必要があって出来ているのだろう? 部屋にしては戸口がない。打っても叩いてもビクともしない。……おや、畜生歩き出したかな?」平八はじっと耳を澄まし、向こう側の様子を聞き澄ました。
丑松短銃で玻璃窓を狙う
しかし足音はきこえなかった。
「では俺の方から歩いてやれ」丹田の気を胸へ抜き、ほとんど垂直に爪先を立て、これも一種の忍術骨法、風を切って一息に、北側の廊下を丑松の部屋まで、電光のように走って行った。やっぱりその部屋も空であった。そうして憎い相手の者も、それに劣らぬ早足をもって、一瞬に位置を変えたとみえ、西側の廊下一帯には、人の姿は見えなかった。
勃然と平八の胸の中へ、怒りの燃えたのは無理ではなかろう。「よし、こうなれば意地ずくだ。どんなことをしても捉えてみせる!」
彼は四角の石壁に添い、四筋の廊下を猟犬のように、追い廻してやろうと決心した。
で、彼はそれをやり出した。風が烈しくぶつかって来た。独楽のようにぶん廻った。