Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ひまわりのめ

向日葵の眼

野村 胡堂

Lesen Sie 向日葵の眼 (ひまわりのめ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.919 Zeichen · 18 Bildschirme

Aozora Bunko

はないでしょうか?

そうするうちに、今から丁度一週間前に、麗子の母親は不意に行方不明になりました。本当に不意に、掻き消すように姿を隠してしまったのです。

元より警察へも届け、少しばかりの知り合いは言うまでもなく、遠方の親類へも問い合せて貰いました。が、それもこれもみんな無駄骨折で、麗子の母親は、死んだとも、生きて居るとも、今にまだ様子が判りません。

麗子の歎きはどんなでしたろう。

お母様が、生きて居るか死んだかもわからず、おまけに身寄も知合も無く、たった一人ぼっちにされてしまっては、十三になったばかりの、内気な麗子には、とても背負い切れないほどの恐ろしい運命です。

北海道の奥には、たった一人、年老ったお祖母様がいらっしゃるそうですが、あまり遠過ぎて、何分急場の役には立ちません。その上紺野は、多勢の雇人に片っ端から暇をやって、お城のような広い屋敷に、麗子唯一人残るように仕向けて行くのです。

此上寂しい空屋敷にいるより、思い切って、北海道の奥の年老ったお祖母様の許へ行こう、麗子は悲しくも斯う決心して、そっと邸を抜け出し、上野停車場へ行こうとして居るところだったのです。