Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Lesen Sie 吸血鬼 (きゅうけつき) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.554 Zeichen · 381 Bildschirme

Aozora Bunko

「そうです。僕には、この金仏の目が瞬く様に見えたのですが。あなた方も見ましたか」

「イイエ……ですが、その仏様は、ひょっとしたら、瞬きをするかも知れませんので」

斎藤氏は生真面目な様子で、冗談みたいなことをいい出した。

「どうしてですか。本当に、そんな馬鹿馬鹿しいことがあるのですか」

三谷が、驚いて口をはさんだ。

「以前から、そんないい伝えみたいな、迷信みたいなものがあるのです。なくなった主人は、夜おそくこの部屋にいると、よく、瞬きなさるのを見ることがあると申して居りました。私などは年寄りの癖に、どうもそんな迷信じみたことは信じられんのですが、主人は非常な信心家でして、あらたかな仏様だと、有難がって居りました」

「妙なことがあるものですね。で、それをご主人の外に見たものはなかったのですか」

明智が尋ねる。

「召使の者なども、たまさか、そんなことを訴えましたが、つまらぬことをいいふらしてはならぬと口止めをして居ります。化物屋敷の様な噂が立つのは好ましくはありませんからね」

「すると、僕の気のせいでもなかったのですね」

明智は、この異様な迷信に、ひどく興味をひかれたらしく、近々と仏像の側によって、熱心にその目を検べて見たが、別に発見する所もなかった。