Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 吸血鬼 (きゅうけつき) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.554 Zeichen · 381 Bildschirme
はずみを食って、巻取器が、ひどい勢いで空廻りをし、それにとりついていた数名の警官ははね飛ばされ、あるものは降ってきた繩にうたれて、ころがった。
「ワーッ」
と上る喊声、川開きのどんな立派な花火だって、この奇想天外な風船花火には及ばぬ。
騒ぎずきの東京市民は、ほとんど熱狂して、怪賊の思い切った曲芸を喝采した。うわさは疾風の様にちまたに拡がり、続々とかけつける見物人で、両国橋の東西は時ならぬ川開きの人山だ。
見渡すかぎり、屋根という屋根に、人間の鈴なりだ。
風がなかったので、賊の風船は、一直線に、グングン天上した。見る見る小さくなって、果ては子供のおもちゃのゴム風船みたいになって、とうとう、低い白雲の中へ姿を隠してしまった。
この絶好のナンセンス種に、喜んだのは社会記者だ。ソレッというので、写真器を掴んで、国技館へと自動車が飛ぶ。明智のアパートへ駆けつけるもの、畑柳家へ談話筆記に走るもの。
なにしろ相手は、数人の娘を惨殺して、石膏づめにした、稀代の殺人鬼だ。そいつが風船で天上したのだ。世にこれ程激情的な事件が、またとあろうか。
「飛行機だ。飛行機で追っかけろ」