Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 吸血鬼 (きゅうけつき) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.554 Zeichen · 381 Bildschirme
「畜生め、やけに早い野郎だなア」
警察ランチの運転手はしばらく競漕して見たが、とても抜き返せないことを知ると、腹立たしげにつぶやいた。
「あいつ、何だろう。まさか同類じゃあるまいな」
一刑事が不審を抱いた。
「いくら何でも、そんな無茶はしないだろうぜ。いくら速力が早いからといって、この荒れ模様に、あんな小さな舟で、賊を救って、逃げおおせるなんて、思いもよらぬことだよ。……素人の物好きさ。警察のお手伝いをして、ほめてもらうのが楽しみの特志家だよ。いつでも、あんな連中が、二三人、飛出して来るものだ」
水上署の老巡査が、多年の経験から割出して、事もなげに答えた。
警察ランチ、お手伝いのモーターボート、都合四艘の快速船が、吹きつのる北風に、波立つ海を、真ッ二つに切り裂いて、四つの鋭いのこぎりの様に、勇ましく突き進んで行った。
一方、賊の風船は、第一のお台場を越したあたりで、遂に全く浮力を失い、ダブダブにしわのよった気嚢を、巨大な章魚の死骸の様に、水面に浮べた。
墜落した刹那、下部に、ぶら下っていた賊は、ザブンと水中にもぐり、したたか潮水を呑まされたが、もがきにもがいて、やっと水面に浮上り、漂う気嚢の片隅にすがりつくことが出来た。