Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 吸血鬼 (きゅうけつき) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.554 Zeichen · 381 Bildschirme
「僕が倭文子さんの好意にあまえ過ぎたのです。僕が若かったのです。賊のことで、少しばかり尽力したのを、皆に感謝されていると思って、いい気になり過ぎたのです。執事の老人にしては、目にあまる様な振舞もなかったとはいえません。とうとう老人が、倭文子さんにそのことをいい出したのです」
風船男の溺死によって、畑柳家に禍する悪魔は亡びてしまった、と誰しも考えた。大事件が終息すると、その蔭に隠れていた小事件が、ひどく目立って来るものだ。
老人が倭文子さんと三谷青年との、みだらな関係を苦々しく思い出したのは無理もない。それがとうとう爆発したのだ。
朝から訪ねて来た三谷と二人切りで、一間にこもっていた倭文子を、老人が外の用事にかこつけて、別室へ呼び出した。
倭文子も大方それと察したのであろう。召使達に聞かれることを恐れて、先に立って、二階の書斎へ入って行った。
二人はそこで長い間口論を続けた。激した言葉が、偶然外の廊下を通りかかった女中の耳にさえ、漏れ聞えた程だ。
いつまで待っても、二人とも降りて来る様子がないので、一同少し心配になり出した。
「ひっそりして、話声も聞えやしない。