Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 吸血鬼 (きゅうけつき) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.554 Zeichen · 381 Bildschirme
「どうして、おもちゃなんかじゃ、ありませんよ。これでも立派な使い道があるのです」
「西洋の探偵小説じゃあるまいし、人形の換玉が、何か役に立ちますかね」
警部は、皮肉な調子でいった。明智の突飛なやり口が、一々癪にさわって仕方がないのだ。
「この洋服は」明智はそれには取合わず、説明を始めた。「文代さんが出来合いの安物を買って来て着せたのです。裸身では人形がはずかしがるだろうといってね。というのは、この人形は、首だけではなく、手足も胴体も、本物そっくりに、完全に出来ているからです」
「ホウ、大したもんですね。余程手間がかかったでしょう」
「イヤ、三日間で出来上ったのです。胴体は、工場にあり合わせのものを使い、首だけを、幾枚もの写真によって、彫刻し、それを型にして作りつけたものです。彫刻は友人のK君に頼んだのですが、弟子に手伝わせて、一昼夜で仕上げましたよ。こんな仕事は初めてだとこぼしていました」
「そんなに早く出来るものですかね」警部は信じられぬという顔つきだ。
「死にもの狂いでした。今日までにどうしても入用だったものですからね。その代り費用はフンダンにかけましたよ」