Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 吸血鬼 (きゅうけつき) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.554 Zeichen · 381 Bildschirme
まだその卓上電話の前にいた三谷が、再び受話器を耳に当てて二言三言うけ答えをしている内に、彼の顔が真青になった。
「誰ですの? どこからですの?」
倭文子が心配に息をはずませて尋ねた。
三谷は送話口を手で押えて、振返ったが、ひどくいい悪く相に躊躇している。
「何か心配なことですの? 構いません、早くおっしゃって下さい」
倭文子がせき立てる。
「確に聞き覚がある。贋物ではありません。あなたのお子さんが、自身で電話口に出ていらっしゃるのです。だが……」
「エ、何ですって? 茂が電話口へ? あの子はまだ電話のかけ方もよく知りませんのに。……でも聞いて見ますわ、あの子の声は、あたしが一番よく知っているのです」
倭文子は駆け寄って、まだ躊躇している三谷の手から、受話器を奪い取った。
「エエ、あたし、聞こえて? 母さまよ。お前茂ちゃんなの? どこにいるの?」
「ボク、ドコダカ、ワカラナイノ。ワカラナイシ、ヨソノオジサンガ、ソバニイテ、コワイカオシテ、ナニモイッテハ……」
バッタリ声が切れた。突然、その怖い小父さんが、少年の口を手で塞いだらしい様子だ。
「マア、本当に茂ちゃんだわ。