Japanische Klassiker mit Furigana
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はなしかのきもの
噺家の着物
三遊亭 金馬
Lesen Sie 噺家の着物 (はなしかのきもの) von 三遊亭 金馬 (さんゆうていきんば) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.355 Zeichen · 13 Bildschirme
前座時代にははやく紋付が着たいと思った。同朋町の円右師匠の御内儀さんが亡くなられて、その御葬式のときに腰脇の者が着る縦縞の木綿に、梅鉢の紋付の羽織を戴いて始めて高座へあがったときは、嬉しくて昼間もその紋付を着て歩いた。
その服装で正々堂々と、廿一歳の兵隊検査に行った。検査官に、「イヨウ、色男」とひやかされて肩を叩かれた。その紋付の羽織を着て、吉原へも遊びに行った。始めて、紋付を着ると、身体に馴染まないで、着た当人も、ほかで見ても、何となく変なものだが、これがどんな木綿の紋付でも、長年着ていると、身体にちゃんとつくものだ。もっともこれは、われわれ咄家の作業服のようなもので、まあユニホームである。
その代り、何時何処で御葬式にであっても困らないで、悠々と御焼香ができる。われわれ長年紋付を着馴れた者から見ると、素人の方が、婚礼とか御葬式のときにだけ着る紋付は、体についていないで、借着をしているようである。昔の咄家や、講釈師などはずいぶんひどいなりをして高座へあがっていたものだ。気違い馬楽という人も、輪継ぎの褞袍に紫の細紐を締めて高座にあがったのを覚えている。