Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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よんじゅうはちにんめ

四十八人目

森田 草平

Lesen Sie 四十八人目 (よんじゅうはちにんめ) von 森田 草平 (もりたそうへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.183 Zeichen · 112 Bildschirme

Aozora Bunko

お気合いの悪いところへよけいなことばかりお訊ねして、もう何にも申しますまい」

こう言って、おしおは相手の気を逸らすように、ほかの事に話しを移した。「わたしもあなたの妻になる身で、あんな茶店に出ていたとあっては、後々どんな障りになろうもしれない。幸い、さる人のお世話で、今度松坂町のさる御大家の仕立物を一手で縫わせていただくことになりました。まあ、これを見てくださいませ。今もこんなに来ているくらいだから、どうか、わたしのことは安心して――」

「なに松坂町?」と、小平太は思わず聞耳を立てた。「その御大家というのは、何という家だえ?」

「ええ、中島伊勢様とおっしゃる大奥お出入りの御鏡師ということでございますの」と言いながら、何と思ったか、おしおはきゅうに顔を赧らめた。「何でもそこの嫁御寮は、吉良様の御家老とやらから来ておいでじゃということでございますわ」

「ふむ、そうか」と、小平太は腕を拱いで考えこんだ。そういうことがあるとすれば、いっそここでこの女に大望を打明けて、その手蔓で何事かを聞きだすようにしようかとも思ってみた。が、この間兄に言ってしくじったことを思えば、迂濶に打明ける気にもなれなかった。