Japanische Klassiker mit Furigana
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よっかのあやめ
四日のあやめ
山本 周五郎
Lesen Sie 四日のあやめ (よっかのあやめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.200 Zeichen · 38 Bildschirme
主税介の声は低くなった、「おれはもちろん大洲へ駆けつけただろう、いばるようだがおれの隈江流は多仲より下ではない、おれがいて多仲がいて、みんな決死でやったとすれば、死傷者の数はあんな程度では済まなかった、とうていあんな程度では済まなかったということが想像できないか、江木」
重三郎の手が妹の腕から放れ、痺れでもしたように、腿に添って下へ垂れた。
「あの程度で済んだからこそ、寛大な御処置にもなり、今日の祝宴も開けたのだ、それは千世が黙っていてくれたからだ」
「しかし」と重三郎が向うを見たままで云った、「しかし五大の汚名は消えないぞ」
「結構だ」と主税介が云った、「大いに結構だよ、おれは悪評されだしてからだいぶ成長した。これまで褒められてばかりいたし、江木にも古武士の風格があるなどと云われて、自分では気づかずにいいつもりでいた。だが、悪く云われだしてから初めて、その『いいつもりでいた』自分に気がついた。それだけでも成長だし、これからも成長するだろう、悪評の続く限りおれは成長してみせるよ」
重三郎は手をあげて眼を拭いた。向うを見やったままで、主税介の方へは向かなかった。