Japanische Klassiker mit Furigana
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よじげんひょうりゅう
四次元漂流
海野 十三
Lesen Sie 四次元漂流 (よじげんひょうりゅう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.363 Zeichen · 128 Bildschirme
村の青年二人がていねいに礼をした。
「おい君」と課長は成宗巡査を呼び「一切誰にも会わしちゃいかん。厳命だ」
「は、はい」
成宗は身体を縮めて、ちらりと蜂矢の方を見た。蜂矢は知らん顔をして、彼の助手のためにライターの火を貸してやっている。
「かべだ。かべだ。かべの中へぬりこまれちまった。あああッ……」
とつぜん川北先生がうわごとをいった。目をつぶっている。青い顔には玉のような汗がうき、長い頭髪がべっとりぬれて眉の方までのびている。黒川医師は目を大きくむくと川北先生の眼をみた。
「かべか。かべがどうしたというんだ」
課長と課員が、川北先生の枕頭をぐるっと囲んだ。川北先生の唇がぴくぴくとふるえるだけでもう声はでなかった。
「この病人はうわごとをさかんにいうのかね。ねえ君たち」
と課長は、村の青年にきいた。
「は。ときどきいいます」
「蜂矢さんが手帳に書きとめて居られましたです。蜂矢さんをお呼びしましょうか」
「いや、よろしい」
課長は首をかたくしていった。
「……流れる、流れる、流れる」
又もや川北先生がうわごとを始めた。
「うっ、苦しいとめてくれ、誰かとめてくれ。黄いろいスープのような……」