Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かいそうろく

回想録

高村 光太郎

Lesen Sie 回想録 (かいそうろく) von 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.774 Zeichen · 71 Bildschirme

Aozora Bunko

と呼ばれていて、小兼さんと言えば浅草では偉いものだったらしい。祖父の弟で甲府に流れて行って親分になった人があるが、これは非常に力持ちの武芸の出来た人で、その弟がついているので祖父の勢力が大変強かった。喧嘩というと弟が出て行った。江戸中の顔役が集まって裁きをつけたりしたことがあったと言う。だから私は子供の時分、見世物は何処へ行っても無代だった。その時は解らなかったが、後で考えるとそのせいだったらしい。よく兄哥連に背負われて行ったものだ。喧嘩の仕方なども、祖父から聞いて知っている。然し祖父が足を洗って隠居してからも連中が祖父のところに出入するのを、父は実に厭がったものだ。祖父は丁髷をつけて、夏など褌一つで歩いていたのを覚えている。その頃裸体禁止令が出て、お巡りさんが「御隠居さん、もう裸では歩けなくなったのだよ。」と言って喧しい。そしたら着物を着てやろうというので蚊帳で着物を拵え素透しでよく見えるのに平気で交番の前を歩いていた。谷中に移ってから父の住んでいる家の向う側の長屋を隠居所ということにして、夏の夕方など、長屋の格子の向うは障子になっていたが、其処で影絵を始めて評判になり、随分人が集まるようになった。