Japanische Klassiker mit Furigana
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かいそうろく
回想録
高村 光太郎
Lesen Sie 回想録 (かいそうろく) von 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.774 Zeichen · 71 Bildschirme
お目出度いものだから鯛はよく彫られるが、単独に彫刻の題材にはならない。いろいろな物の中から彫刻性を多分に帯びているものを選び出して、それを題材とするのでなければ無意味である。それが解らないで無茶苦茶にやるのは、未だ彫刻が解っていないのだと思う。一寸見ると摘んでみたい位に本物らしく出来ている果物の彫りものとか、よく鮭を一枚一枚鱗を拵えて本物のように彫ってあるものなどがあるが、ああいうのは本当の意味の彫刻ではなく、根附彫のような細工物になって了う。私なら鮭の頭だけ拵える。鮭も首だけにしてみると、彫刻的組立が出来て来る。
又このこととは反対に、人間の力で彫刻的に表現されたものを、更に二重に彫刻として表現することも無意味だと思う。例えば能の舞台の姿は、一方から言うと、空間に於ける彫刻的な感銘を意図し振舞われている姿であるから、一種の彫刻的表現が大きな要素になっている。それを更に彫刻に拵えることは無意味だと私は思っている。
私の乏しい作品も方々に散って、今は所在の解らないものが多い。「魴※(「魚+弗」、第3水準1-94-37)」など相当に彫ってあるので、時々見たいと思うけれども行方不明である。