Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かいそうろく
回想録
高村 光太郎
Lesen Sie 回想録 (かいそうろく) von 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.774 Zeichen · 71 Bildschirme
だがそうしている間に、彫刻家として認められる機会がちょいちょい出て来た。父の仕事振りを偶々通りすがりの石川光明さんがよく見ていて、その世話で展覧会に出品するようになった。矮鶏などは、その頃拵えたものだ。あの矮鶏は非常によかったと今でも思う。私は五つ位の時だったが、矮鶏の鶏冠の円いものなどうまく本当のように出来るものだというようなことを感じて見ていたことを微かに覚えている。それから皇居の御造営があって、皇后様の御部屋の狆なども拵えた。
然しその頃の彫刻家は――彫刻師と言ったが――今のような世間との交渉は全くなく、鑑賞家から展覧会を見て仕事を頼まれるというようなことは殆となかった。その当時、父のところには、若井兼三郎、外山長蔵、金田兼次郎、三河屋幸三郎などという貿易商が頻々とやって来た。弁慶という独逸人(父は発音が似ているとそんな風に言って了う。)なども、横浜の商会の手代でちょいちょい来た。父は、食う為には純粋に自分のやりたいものなどなかなか出来ず、マドロスパイプ、インクスタンド、洋傘の柄、ナイフ、時計台、鏡の縁だとか、そういうものの鋳ものにする時の木型を無数に彫った。