Japanische Klassiker mit Furigana
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こうふ
坑夫
Lesen Sie 坑夫 (こうふ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.690 Zeichen · 283 Bildschirme
満更苦しくない事もないんだろうが、一つは新参の自分に対して、景気を見せるためじゃないかと思った。それとも煙は坑から坑へ抜け切って、陸の上なら、大抵晴れ渡った時分なのに、路が暗いんでいつまでも煙が這ってるように感じたり噎せっぽく思ったのかも知れない。そうすると自分の方が悪くなる。
いずれにしても苦いところを我慢して尾いて行った。また胎内潜りのような穴を抜けて、三四間ずつの段々を、右へ左へ折れ尽すと、路が二股になっている。その条路の突き当りで、カラカラランと云う音がした。深い井戸へ石片を抛げ込んだ時と調子は似ているが、普通の井戸よりも、遥に深いように思われた。と云うものは、落ちて行く間に、側へ当って鳴る音が、冴えている。ばかりか、よほど長くつづく。最後のカラランは底の底から出て、出るにはよほど手間がかかる。けれども一本道を、真直に上へ抜けるだけで、ほかに逃道がないから、どんなに暇取っても、きっと出てくる。途中で消えそうになると、壁の反響が手伝って、底で出ただけの響は、いかに微な遠くであっても、洩らすところなく上まで送り出す。――ざっとこんな音である。