Japanische Klassiker mit Furigana
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こうふ
坑夫
Lesen Sie 坑夫 (こうふ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.690 Zeichen · 283 Bildschirme
自分は四本目の芋を口へ宛がったなり、顎を動かす事を忘れて、この小僧をしばらくの間眺めていた。もっともしばらくと云ったって、わずか二十秒くらいなものである。芋はそれからすぐに食い始めたに違いない。
小僧の方では、自分らを見て、驚いたか驚かないか、その辺はしかと確められないが、何しろ遠慮なく近づいて来た。五六間のこっちから見ると頭の丸い、顔の丸い、鼻の丸い、いずれも丸く出来上った小僧である。品質から云うと赤毛布よりもずっと上製である。自分らが三人並んで橋向うの小路を塞いでいるのを、とんと苦にならない様子で通り抜けようとする。すこぶる平気な態度であった。すると長蔵さんが、また、
「おい、小僧さん」
と呼び留めた。小僧は臆した気色もなく
「なんだ」
と答えた。ぴたりと踏み留った。その度胸には自分も少々驚いた。さすがこの日暮に山から一人で降りて来るがものはある。自分などがこの小僧の年輩の頃は夜青山の墓地を抜けるのがいささか苦になったものだ。なかなかえらいと感心していると、長蔵さんは、
「芋を食わないかね」
と云いながら、食い残しを、気前よく、二本、小僧の鼻の前に出した。