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Japanische Klassiker mit Furigana

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つぼたじょうじのあじ

坪田譲治の味

尾崎 士郎

Lesen Sie 坪田譲治の味 (つぼたじょうじのあじ) von 尾崎 士郎 (おざきしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.124 Zeichen · 11 Bildschirme

Aozora Bunko

を飜訳して彼におくった話は、ほとんど知られていないが、春陽堂から最初に刊行された、この本の扉には「坪田譲治のために」という言葉がハッキリしるされている。私のごときは、彼にとってはもっとも悪友というべきものの一人であったかも知れぬ。

上泉秀信が、あるとき、――といっても、これは坪田君の声名がすでに存在を確立してからであるが、下村千秋と二人で坪田君を誘って甲州境いの山峡に釣りに出かけ、その帰途、無理矢理に彼を田舎の遊郭につれこんでしまったことがある。恐らく、最初から坪田君を誘惑するという下心はなかったであろうが、そのときのことを私は生前の上泉からしみじみ聴いたことがある。

「僕は、あんなに困ったことはないよ、夜中に便所に立とうと思って襖をあけると、女が一人、廊下の柱にもたれて泣いているんだ、よく見ると坪田の女じゃないか、どうして泣いているんだといってきくと、わたし、あのひとに嫌われましたというんじゃないか、まさか坪田が女にムゴいことをする筈はないし、困ったなと思って坪田君の部屋を覗いてみると部屋の中にいないんだよ、どうしたろうかと心配になって、あっちこっちさがしたところが、坪田は、表の階段に腰かけて頭をかかえたまましゃがみこんでいるんだ、一体君、どうしたんだといって訊くと、いや、急に腹が痛くなっちまって、まことに