Japanische Klassiker mit Furigana
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ばいしょくかもなんばん
売色鴨南蛮
泉 鏡花
Lesen Sie 売色鴨南蛮 (ばいしょくかもなんばん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.926 Zeichen · 28 Bildschirme
宗吉はかくてまた明神の御手洗に、更に、氷に閑らるる思いして、悚然と寒気を感じたのである。
「くすくす、くすくす。」
花骨牌の車座の、輪に身を捲かるる、危さを感じながら、宗吉が我知らず面を赤めて、煎餅の袋を渡したのは、甘谷の手で。
「おっと来た、めしあがれ。」
と一枚めくって合せながら、袋をお千さんの手に渡すと、これは少々疲れた風情で、なかまへは入らぬらしい。火鉢を隔てたのが請取って、膝で覗くようにして開けて、
「御馳走様ですね……早速お毒見。」
と言った。
これにまた胸が痛んだ。だけなら、まださほどまでの仔細はなかった。
「くすくす、くすくす。」
宗吉がこの座敷へ入りしなに、もうその忍び笑いの声が耳に附いたのであるが、この時、お千さんの一枚撮んだ煎餅を、見ないように、ちょっと傍へかわした宗吉の顔に、横から打撞ったのは小皿の平四郎。……頬骨の張った菱形の面に、窪んだ目を細く、小鼻をしかめて、
「くすくす。」
とまた遣った。手にわるさに落ちたと見えて札は持たず、鍍金の銀煙管を構えながら、めりやすの股引を前はだけに、片膝を立てていたのが、その膝頭に頬骨をたたき着けるようにして、