Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

よるのこうず

夜の構図

織田 作之助

Lesen Sie 夜の構図 (よるのこうず) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 62.068 Zeichen · 125 Bildschirme

Aozora Bunko

信吉はその女との約束を想い出して、さっさとホテルへ帰ってしまえばいいのだ。男が女に好奇心を感じ、食指を動かすというのは既にして罪だ。何を好んで二重の罪を犯そうというのか。もっとも罪の意識のすくない男だったが……。

元来が信吉は自尊心の固まりのような男であったから、冴子に無視された(と思い込んでいたのだ)ことでもはや自尊心が傷ついたような気がしていたのだ。もっとも自作を無断で改訂されたことでとっくに傷ついている自尊心だった。もう少しで上演禁止を申し出るところであった。が、さすがにそうしなかったのは、自尊心が強いくせに人一倍多分に持っている気の弱さと、一つには江口冴子への興味だった。しかもその江口冴子が自分を無視している。信吉の自尊心はいわば二重に傷ついたのだ。この傷を癒やすためには、

「江口冴子を俺に惚れさせるのだ!」

そのためにも、まずはじめは無視して置いてくれた方がやり甲斐があると、これは信吉の持論だった。変な男だ。

稽古が終ったのは、十時半だった。案外早かった。

終電車の時間を気にしていた俳優達はほっとして、楽屋へ顔を落しに行った。幹部の俳優は、