Japanische Klassiker mit Furigana
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やこうちゅう
夜光虫
織田 作之助
Lesen Sie 夜光虫 (やこうちゅう) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.871 Zeichen · 134 Bildschirme
ルンペンだよ」
小沢はひょいと言ったが、さすがに弱った声だった。
「宿無しだよ。ルンペンだよ」
と、語呂よく、調子よく、ひょいと飛び出した言葉だが、しかしその調子の軽さにくらべて、心はぐっしょり濡れた靴のように重かった。
小沢は学生時代、LUMPEN(ルンペン)という題を出されて、
「RUMPEN とは合金ペンなり」
という怪しげな答案を書いたことがあるが、ルンペンの本来の意味は、ボロとか屑とかいう意味である。
つまり、宿なし、失業者、浮浪者といった意味のルンペンとは、人間のボロ、人間の屑というわけであろう。
宿がないということは、屑であるということだ。それほど、宿なしは辛いのだ。
ところが、今、小沢はその辛さを痛切に味わねばならなかった。
実は、この細工谷町で異様な裸の娘を拾ったというのも、小沢が宿なしだったからである。
小沢は両親も身寄りもない孤独な男だったが、それでも応召前は天下茶屋のアパートに住んでたのだから、今夜、大阪駅に著くと、背中の荷物は濡れないように(また、雨の中を背負って行く邪魔でもあったので)駅の一時預けにして、まず天下茶屋のアパートへ行ってみた。