Japanische Klassiker mit Furigana
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むゆうびょうしゃのし
夢遊病者の死
江戸川 乱歩
Lesen Sie 夢遊病者の死 (むゆうびょうしゃのし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.121 Zeichen · 22 Bildschirme
朋輩から詳しい様子を聞いて、一時はこいつはうまく行ったと喜んだものの、流石に善人の彼はそうしてじっとしていることは出来なかった、自分の代りに一人の男が恐しい罪名を着せられているかと思うと、余りに空恐しかった。それに又、そうして一時は免れることが出来てもいずれ真実が暴露する時が来るに相違なかった。そこで彼は今は意を決して署長の所へやって来た。という訳であった。
これを聞いた人々は、余りに意外な、そして又余りにあっけない事実に、暫くはただ顔を見合せているばかりであった。
それにしても彦太郎は早まったことをしたものである。その時は彼が逃亡してからまだ三十分も経っていないのだった。それとも又、彼が、いや彼でなくとも、刑事なり伯爵家の人達なりが、あの杉の根許に落ちていた一束のダリヤの花にもっとよく注意したならば、そしてその意味を悟ることが出来たならば、彦太郎は決して死ななくとも済んだのである。
「併しおかしいねえ」暫くしてから警察署長が妙な顔をして云った。「この足跡はどうしたというのだろう。それから、死人の息子はなぜ逃亡したのだろう」
「分りましたよ、分りました」