Japanische Klassiker mit Furigana
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おおとりものせんにんつぼ
大捕物仙人壺
国枝 史郎
Lesen Sie 大捕物仙人壺 (おおとりものせんにんつぼ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.606 Zeichen · 97 Bildschirme
しかし捕物そのものは、まことに簡単に行なわれた。
即ち伊庭八郎一派の者が、三味線の音の絶えると同時に、毛脛屋敷へ乱入するや、浪士の群は狼狽し、逃げようとして犇めくところを、あるいは斬り、あるいは捕縛し、その物音に驚いて、地下室にいた源太夫一味が、周章てて遁がれようとするところを、これも斬ったり捕えたりして、一人のこさず狩取った迄であった。
その結果お錦と小堀義哉とは、命を助かることが出来た。
香具師の親方「釜無しの文」だけは、ちょうどそこに居なかったので、これも命を助かった。
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その夜の明け方小堀義哉は、自分の屋敷へ帰って来た。そこで盗難の話を聞いた。これという物も盗まれなかったが、お錦から預かった不思議な手箱を、一つだけ盗まれたということを、小間使のお花から耳にした。
「ふうむそうか、ちょっと不思議だな」
義哉は小首を傾けた。「金も取らず衣類も盗まず、手箱を奪ったというのには、何か理由がなければならない」
しかし彼には解らなかった。
「お錦殿には気の毒だが、打ち明けるより仕方あるまい」
で、お錦の来るのを待った。しかし翌日も翌々日も、お錦の姿は見えなかった。