Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme
これでは、四十島田をいやがる者まで、ついまきこまれるだろうと思われるほどの愛嬌を売るものですから、お雪も心安くなりました。実際、また今はお雪のほかには女客は、みんな帰ってしまったのですから、いやでも心安くなるのはあたりまえです。
どこのおかみさんで、どういう人で、いつまでこんなところに逗留しているつもりだろう――と、お雪がそれを不審がるのもあたりまえで、それを尋ねもしないうちに、宿の男衆が告げてくれたのは、この人たちにも、かねて疑問となっていたからです。
「ありゃ、飛騨の高山の名代の穀屋の後家さんですよ、男妾を連れて来ているんですよ、男妾をね」
と言ったものですから、お雪がそうかと思いました。
ある時、廊下で顔を見合わせた若いのがそれでしょう。色が青ざめてやせていましたが、かなりのやさ男と思いました。
後家さんは、それを男妾だとはいいません、伴につれて来た男衆だといっていますけれど、到着早々、誰もそれを信ずるものがなくなってしまったので、若い男は少しばかりきまりを悪がっているが、婆さんはしゃあしゃあとしたもので、どうかすると、泊り客にも思いきったところを見せつけたりなどするものですから、この夏中、評判の中心となっていました。