Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.962 Zeichen · 145 Bildschirme
その翌朝、未明に貴公子は兵馬を促し、二人が飄然として、この屋敷を出かけてしまったから、あとのことはわかりません。多分昨日約束しておいた通り、日和田とやらへ野馬をせめに行ったのではないかと思われます。だが、その日の七ツ時になると、果して、右の淫楽の後家さんの死体というのが、この屋敷へ乗込んで来ました。
自分の家へ、自分の死体が乗込んで来たということは、少しも不思議のことではありません。
ことに、新たに家を預かっている人の、あれほどの諒解を得ているのだから、なおさら不思議のことはないのです。やかましく言った代官の方でも、貴公子の充分なる諒解があったから、黙認の形式を取ったものだろうと思われます。
広間の真中へ置かれた一つの新しい寝棺。その中には、当主であるべき例の淫乱の後家さん、白骨谷の通語でいえば、イヤなおばさんの亡骸が、白布に覆われて、いとも静かに置かれてある。
夜になるとその周囲に、幾台もの燭台が点っている。昼のように明るいと言いたいが、その光が湿っている。棺の後ろには阿弥陀如来の掛像があり、棺の前には、さまざまの供物がある、香炉がある。すべての調度は遺憾なく整っているところに、ボツボツと集まった親類縁者というものが、それでも、いつのまにか、その広間に溢れるほどの景気となったのは、何といっても、この