Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.467 Zeichen · 168 Bildschirme
「弁信さん、わたしが死ぬ時は、あなたも一緒に死んで下さいますか」
「死にますとも」
弁信は事もなげに答えました。異様なる縁に迫られて、二人は駈落の相談から、合意の心中をまでも、事もなげに話し合い、こうして二人の行先はきまりました。
美濃の国――関ヶ原、関ヶ原。
二十六
二人が長堤を閑々と歩いていた時、屋形船から首を出して、お雪ちゃんに認められたところの男が、あわただしく首を引込めてから、船の中で大あくびをし、
「いやどうも、忍んでいると日が長い、日が長い」
これは、がんりきの百蔵という野郎でありました。
がんりきは大あくびをしてから、船の中を見返したが、薄暗い捨小舟の中には、いま自分が枕にしていた小箱のほかには何物もない。何だか知らないが、この狭苦しい舟の中へさえも、ひしと迫る言い知れぬ倦怠のような、淋しいようなものが漂うて来るのに、うんざりしたものらしい。
ともかくも黄昏時ではあるが、この男の出動する時刻にはまだ間もあるものと見え、いったん眼を醒まして、破れ簾をかかげて外の方を見渡した。とろんとした眼を据えて、そのまままた小箱を枕にゴロリと横になり、半纏を頭から引被って寝ころんでしまったものです。