Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme

Aozora Bunko

こうして、青嵐は手を洗いに行き、米友もそれぞれ夕餉の仕度の手伝いにとりかかりましたが、生活ぶりが単純であるだけに、あんまり手数もかからず、釣り上げた新鮮なる湖魚を主菜にして、二人の会食がはじまりました。

米友も辞退しないで、よばれていると、ゆっくりと食事をしながら、青嵐は米友に向って、

「君、君のいるあの胆吹の開墾地だがなあ、あそこの王様は女だという話じゃないか、女にしてはなかなか野心家だねえ」

「ああ、女だよ、お銀様といって、甲州第一番の金持の娘が大将で、もくろんでいる仕事なんだ」

「そうか、珍しい人だ、拙者も一度、その女主人様に会っておきたいものだと思っている」

「駄目だよ」

「どうして」

「なかなか気むずかし屋でなあ、みんなが腫物にさわるようにしている……だが、おいらなんざあ、怖くもなんともねえや、おいらが見たんじゃあ、只の女の人だよ」

米友は、御飯を食いながら、こう答えて、昂然として何か多少の得意気な色を浮ばせました。

つまり、胆吹王国の女王なるものは、無類の専制女王である。多くの人がビクビクと恐れているが、こちとらだけは怖くもなんとも思っちゃいねえ。