Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme

Aozora Bunko

「御苦労さまでございます、どちらのお方様か存じませぬが、どうかお休み下さいまし、わたくしももうあきらめて、休ませていただきますでござりますから。おやかましうございました」

こう言って、婉曲に道庵の退却を求めるようになりました。道庵はそれを耳にもかけず、突然また大きな声を上げて、

「友様や、友さんや」

「おーい」

一議に及ばず、米友が返事をしました。実はさいぜんからの事のいきさつを、米友は蒲団の上に起き直って、委細うかがい知っているはずでありましたが、相手が相手だけに、こんどは自分の出る幕でないと神妙にひかえていたのを、呼び立てられたものだから、一議におよばず返事をして、立ってやって来ました。

「友さん、御苦労だが、その紙入をここへちょっと貸しておくれ、そうしてお前さんにもこの場へ立会ってもらいたいのだ」

「これかい」

米友が持って来た枕許の紙入を取り出して、ちょっとおまじないの真似をしてから、若干を紙に包んで、件の男の前へ突きつけて、道庵が言いました、

「百両百貫とでもいわれた日にゃ道庵だって考えるが、三両と聞いて安心を致した、さあ、ここに三両の金がある……時と場合によればまだ二両ぐらいはどうにでもなる、これでその娘を受け戻すさ、そうすりゃお前、娘もつれて帰れるし、馬も引いて帰れるだろう、が馬があれば一家が養える