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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme

Aozora Bunko

大急ぎでその摺付木を火鉢の灰の中へ立て、あわただしく煙管へ煙草をつめて、その燃え残りの火にあてがい、大急ぎで一ぷくを試みて、その煙を輪に吹いて、大納まりに納まりました。

「重宝なもんだて。どうしてまた毛唐は、こんなことにかけては、こうも器用なんだろう。これを使っちゃ、燧石なんぞはお荷物でたまらねえ」

七兵衛は、今更のように、マッチの便利重宝を、讃美渇仰せずにはいられない。

それから、煙草の吸殻をポンと手のひらに受けて二ふく目を吸い――三ぷく、四ふく、その煙をながめては、ヤニさがっていたが、暫くあって煙草をやめ、また思い出したように、以前の革袋へ手を入れて、

「何だろう、このゴロゴロした丸いやつは?」

首をひねりながら引き出して見ると、それは紙に包んだ炭団でありましたから、七兵衛が、コレハ、コレハとあきれました。

炭団が出て来やがった、何のおまじないだろう――合点がゆかない心持で、その炭団をまた一つ一つ食卓の上に置き並べ、それをながめて、ははあ、やっぱりこれは火つけだな、と思いました。

江戸城へ火をつけるつもりで、あの連中は忍び込んだのだな――なるほど、かんなくずかなにかに炭団を包んで、火をつけて置けば、念入りに燃え出す。