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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme

Aozora Bunko

している……と山の案内者が言いました。

山の案内者は、近頃の征服連の堕落をなげき、高山植物などの、年々少なくなることをも怖れているらしい。

その時、山の案内者のデコボコ頭に、燃えぼこりが一つたかりました。

それを見ると、一人があわてて、

「あれ蚊が……」

といって、平手でピシャリとその男のデコボコ頭をたたきましたが、もとより蚊でありませんから、たたいた者、たたかれた者、共にあっけに取られ、見ていた者も、暫くはあいた口がふさがらないのは、思い設けぬ余興でありました。

白骨の温泉場の今時分、蚊がいようと思うのがそもそも間違いで、よし蚊がいたからといって、平手でピシャリ打つまでのことはなかろうに、気が早いのだか、間が抜けたのだか、わからないものですから一座があっけに取られ、やがてドッと笑い崩れました。たたかれた山案内のデコボコ頭がおかしかったからでしょう。

それについて……仏典にこんな話がある。印度に一人の馬鹿野郎があって、ある時、親爺の額へ蚊がとまったのを退治てやるつもりで、有合せた丸太ン棒を取り上げ、馬鹿野郎のこととて、力をこめて親爺の額にとまった蚊をなぐったものだから、親爺もろともにナグリ殺してしまった……この話で一座がまた笑い崩れました。