Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

「驚きましたねえ」

北原の方がかえっててばなしになって、驚いてしまったが、お雪はいっこう平気で、

「ですから、わたし、毎日毎日、隙さえあれば弁信さんに宛てて手紙を書いていますの。手紙ばっかり書いたって、出すたよりは無いでしょう、ですから、書いたきりの手紙がもう、こんなに高くなっていますのよ。でもいくら書いても書き足りないものですから、今でも、書く事のなくなるのを心配するよりは、こんなに毎日書いて、せっかく用意して来た紙がなくなりはしないかと、そればっかり心配になって仕方がありません」

「へえ――驚きましたね」

北原賢次は三たび手放しで、あっけに取られました。

しかし、北原はそだちがいいから、下品な冷やかしを打込む男ではありません。

「それはそうとして、お雪ちゃん、鳩の方はとにかく、この名古屋行の分を貸して差上げましょう、この鳩は、尾張の名古屋までしか行かない鳩だということを、忘れてはいけませんよ」

「それはただいま承りました」

「しからば、その弁信さんというのは、ドコにおいでなさるのですか」

「それは、わかりませんけれど……」

「その居所のわからない人のたよりを、名古屋へしか行かない言伝に頼んだところで、無益じゃありませんか」