Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
「あ、そうですか」
お雪はここでもまた、狼狽ぶりを示さずにはおられないらしい。
そこで、北原も、少し訪問のバツが悪かったな、と思わせられないわけにはゆきません。
お雪ちゃんの方で、我々の来ることを待構えて、この一間を立て切って置いてくれたなら、水入らずの訪問談もできたろう。また病人に引合わせられるにしても、多少バツがよかったろうに、こうしてあけっぱなしにしているところでは、こちらが闖入して来たようにもなり、お雪ちゃんとしても、改まっての紹介のとっつき場に、ちょっと迷うのも無理はないと思いました。
その時に、隣りの人が、意外にも気軽に首をあげて、
「これは皆様、よくおいでになりました、お雪がいろいろとお世話になります」
と後ろから、不意にあびせられたものですから、北原と、村田が、おびえたように振返って、
「いやどうも、我々こそ、お世話になりつづけ、失礼のしつづけでございます」
と挨拶を返しました。
そこで、今までおっくうにもあり、苦心にもしていた、謎の主の面を、ありありとして正面に見ることができました。
これは、明るい一間で見た机竜之助以外の何人でもありません。